学生の本業は学業となりますが、意外と自由な時間が多いものです。
アルバイトなどで飲食店で勤務する方も多く見られますが、中には雇用されるのではなく経営者として活躍されている方も存在します。
学生の場合、開業するに当たって資金面の工面が難しいなどのデメリットがあるものの、メリットも多く存在します。
では、学生がバーを経営することは可能なのでしょうか?
この記事では、学生がバーを経営する際のポイントや注意点などを紹介します。
実際に学生が経営しているバーがある
学生がバーを経営できるかどうかが気になりますが、実際に学生が経営していたバーとして以下が有名です。
- 39BAR(愛知県名古屋市)
- Event bar Λ(大阪府大阪市)
それぞれのバーの特徴や、2023年現在の状況について紹介します。
h3 39BAR(愛知県名古屋市)
39BARは、名古屋エリアに存在している学生が経営しているバーです。
「~此処の出逢いは未来を熱くする~夢は口に出すと強いらしい」をコンセプトとして、学生ならではの将来を語り合うような場所を目指しているバーです。
経営者の栗山貴斗さんは、海賊王になることが夢と語っているのですが、これは漫画ワンピースの主人公であるルフィの名台詞がモチーフです。
次世代に対して夢を語り合える場所を提供するために、39BARが誕生しました。
39BARでは各種イベントが随時開催されており、イベントで出会った学生と経営者をマッチングして、新しい事業が誕生するきっかけを生んでいます。
Event bar Λ(大阪府大阪市)
Event bar Λは、コンセプトの決定から資金調達などまで、すべて学生だけで誕生させたバーです。
創業は2017年10月10日ですが、当時は新型コロナウイルスの影響もなく、また開業に関して助成金なども少ない状況でした。
そのなかで、仲の良さを売りとして多くの実績を残したのです。
もし、売り上げ目標を達成できたらスタッフ全員で旅行に出かけるなど、学生ならではの感覚でバーを運営していました。
店内でサバゲーを開催したり、お店でゆっくり飲める様々なイベントを開催していました。
基本的には大学生から25歳までをメインターゲットとしており、大型イベントも多く開催していたのです。
ただし、2019年8月31日をもって閉店しています。
学生がバーを経営する2つの方法
先に紹介したバーの経営事例を見ても明らかなとおり、学生がバーを経営する際には以下2つのパターンを採用する場合が多いです
- 大学や地域のプロジェクトとして経営
- 自分自身でオーナーになって経営
各パターンの詳細は、以下のとおりです。
大学や地域のプロジェクトとして経営
大学があるエリアや地域の協力者が所有する店舗でバーをオープンする形です。
大学や地域自治体などのバックアップの元で、複数のプロジェクトメンバーで運営するのが一般的です。
イメージとしては大学のサークル活動に近く、常にメンバーが入れ替わる特徴があります。
また、大学を卒業した時点でメンバーから外れなければなりません。
元手の資金など不要で、誰でも気軽にバーの経営に携われる反面、自分だけの意思で物事を決定できない点がデメリットです。
自分自身でオーナーになって経営
自分の意思を最大限反映させたバーを開業する場合、自分自身でオーナーになる方法があります。
自分自身で資金を調達して許認可を得た上でバーを開業します。
上記ケースでは、大学生がバーのオーナーとなるため、大学卒業した後も基本的にバーが存続する限りオーナーは事業に関わる必要があります。
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学生がバーを経営する際に苦労するポイント
学生がバーを経営した実績は、過去何例も存在します。
また、バーだけでなく飲食店を含めれば多くの事例があり、中には大成功を収めたケースがあるのです。
一方で、バーを開業しようとして断念したケースも多いのが事実です。
学生がバーを経営する際に苦労するポイントとしては、以下のような点があります。
- 資金調達が難しい
- テナントの調達が難しい
- 免許の取得が難しい
- 学業との両立に苦労する
- 将来の進路を決めにくい
各ポイントについて、詳しく解説します。
資金調達が難しい
学生の場合、基本的に収入がなく親の仕送りに頼るケースが多いです。
アルバイトなどで生計を立てている状況であり、毎日の生活を過ごすのに精一杯という学生が多くいます。
そのような状況において、バーを開業したり経営するためには多くの資金が必要です。
特に、バーを開業する場合は物件の確保や内装・設備を整えてから開業する必要があります。
基本的に自己資金で開業するのは困難であり、融資を受けたり借入しなければなりません。
開業資金の調達方法として、銀行などの金融機関から調達する場合が多いです。
ただし、金融機関側としては何の実績もなく収入も少ない学生に対して、たやすく融資をおこなってくれません。
概ね、担保や保証人を用意して、融資を希望額の30%以上の自己資金が必要だったりするので、かなり高いハードルとなります。
よって、日本政策金融公庫から融資を受けたり、各自治体の融資制度を活用するのが現実的な手段です。
また、クラウドファンディングによる融資を受ける方法もありますが、明確なコンセプトを打ち出せないと希望額まで融資を受けられない場合が多く、難易度は決して低くありません。
テナントの調達が難しい
資金の調達と同時に、テナントの確保も学生の場合は難しい場合が多いです。
テナント契約に対しても、どれだけ資金が調達できているかをチェックされます。
また、経営が上手くいくかなど、総合的な判断でテナントを提供するかどうかが決定されます。
まだ実績がなく資金的にも厳しい学生に、いきなりテナントを提供するケースが少なく、テナント探しに苦労する場合が多いです。
免許の取得が難しい
バーを開業する際には、最低でも以下の許可や資格が必要です。
- 飲食店営業許可
- 食品衛生責任者資格
- 深夜酒類提供飲食店営業
以上の中で、学生にとってネックとなるのが食品衛生責任者資格の取得です。
食品衛生責任者の資格を取得するためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 栄養士、調理師、製菓衛生師、食鳥処理衛生管理者、と畜場法に規定する衛生管理責任者若しくは作業衛生責任者、船舶料理士、食品衛生管理者の有資格者
- 都道府県知事等が行う食品衛生責任者になるための講習会または都道府県知事等が適正と認める講習会の受講修了者
上記の条件を満たしていなくても、食品衛生責任者講習会を受講すれば資格を取得できます。
ただし、食品衛生責任者講習会は17歳以上でないと受講できず、また地域によっては高校生は受講できない制限を設けている場合があります。
これにより、もし高校生の場合は資格取得自体が難しく、他に要件を満たしたスタッフを確保しなければならない場合があるのがネックです。
学業との両立に苦労する
バーの場合、基本的には夜営業で、場合によっては深夜まで営業しているお店も多いです。
学生が経営する場合、他のスタッフを雇用するのが難しく自分自身が店舗に立って働く場合が多く見られます。
この場合、学校から直接バーに出勤して、その後深夜まで働いてまた翌朝学校に向かう生活を続ける必要があるのです。
体力的につらいため、例えば翌日が休みの日だけバーをオープンする方法もありますが、その場合でも学業に割く時間が減少します。
以上のように、仮に経営的に成功したとしても学業との両立に苦労する場合が多いことは常に念頭に置く必要があります。
将来の進路を決めにくい
大学生の場合、卒業を迎えるに当たって今後の進路をどのようにすべきか悩むものです。
もしバーを経営している場合、そのままバーの経営を続けるべきか、それとも違う業種に進むのかの判断が必要です。
経験があるが故に、どのような進路を進めば良いのか余計に悩み、最後まで決めきれないというケースも散見されています。
まとめ
学生がバーを経営することは、決して不可能な話ではありません。
ただし、現実問題として資金調達などが難しく、また開業できた場合でも経営に苦労する場合が多いです。
大学や地域のプロジェクトとして経営する方法もありますが、自分自身だけの意思を反映させることはできません。
もし、自分で資金を調達してバーを経営したい場合、資金調達先を確保する必要があります。
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