ガールズバーの開業に必要な資格はある?開業時の注意点を解説

ガールズバーの開業に必要な資格はある?開業時の注意点を解説

ガールズバーは、比較的誰でも気軽に入店できるお店として人気です。

価格帯も安めであり、2件目のお店として利用される方が多いのではないでしょうか。

そのガールズバーですが、実際に開業しようと検討されている方の場合、必要となる資格があることを理解しておく必要があります。

もし、無資格で開業すると違法行為となるため注意が必要です。

では、ガールズバー開業において必要となる資格には、どのようなものがあるのでしょうか。

この記事では、ガールズバー開業に必要な資格や、開業時の注意点などを詳しく解説します。

ガールズバー開業に必要となる資格や届出は3つ

ガールズバーを開業する場合、必須となる資格や届出は以下の3つとなります。

  1. 食品衛生責任者資格
  2. 飲食店営業許可
  3. 深夜酒類提供飲食店営業開始届出

資格という観点で言えば、食品衛生責任者資格のみとなります。

ただし、届出として飲食店営業許可深夜酒類提供飲食店営業がないと、ガールズバーを開業できません。

全てを揃えて、初めてガールズバーを開業できる形となります。

1.店舗の衛生管理に責任を負う食品衛生責任者資格

食品衛生責任者資格とは、食品衛生法第51条で規定されている資格であり、1店舗につき1人以上食品衛生責任者を設置しなければなりません。

食品衛生責任者は、店舗における衛生管理の監督や指導をおこなうための資格であり、食中毒などの発生を防止することが主な役割です。

食品衛生責任者の資格を取得するためには、以下の要件を満たさなければなりません。

① 栄養士、調理師、製菓衛生師、食鳥処理衛生管理者、と畜場法に規定する衛生管理責任者若しくは作業衛生責任者、船舶料理士、食品衛生管理者の有資格者
② 都道府県知事等が行う食品衛生責任者になるための講習会または都道府県知事等が適正と認める講習会の受講修了者
食品衛生責任者について

もし、上記の要件を満たしていない場合でも、食品衛生責任者養成講習を受講すれば資格を取得可能です。

なお、食品衛生責任者の資格には期限がないため、一度取得すれば更新は必要ありません。

2.飲食店としての許可を得るために必要な飲食店営業許可

ガールズバーでは、主に酒類を提供するお店となりますが、一部では食事も提供されます。

以上のように、酒類やフードメニューの提供をするためには、飲食店営業許可が必須です。

飲食店営業許可は、主に以下2つの条件を満たして初めて許可を得られます。

  1. 食品衛生責任者の設置
  2. 営業許可証の取得

飲食店営業許可を得るために重要なステップとなるのが、営業許可証の取得です。

営業許可証が得られないため、開業を断念するというケースがあるほど、取得までのハードルが高い許可として有名です。

なお、営業許可証には主に2種類あります。

  1. 飲食店営業
  2. 喫茶店営業

喫茶店営業の場合、種類以外の飲物または茶菓を提供する業種のみ取得できます。

よって、酒類を提供するガールズバーでは取得できず、飲食店営業許可を得なければなりません。

飲食店営業許可は、開店予定日の10日前までに警察署へ届け出なければならないために、それに間に合うように取得する必要があります。

営業許可証の取得については、以下の手続きを踏む必要があります。

  • 保健所への事前相談
  • 営業許可申請の提出
  • 施設検査を受ける
  • 営業許可証の交付を受ける

各ステップの詳細は、以下のとおりです。

◆保健所への事前相談

いきなり営業許可証を取得する手続きをおこなうと、特に初めて手続きする際にスムーズに進められず、苦労することが多いです。

特に、許可を得るためには細かなルールにすべて準拠しなければならず、また出店する地域によって微妙にルールが異なるケースもあります。

もし、他のエリアで出店できた経験があったとしても、当該エリアでは許可を得られない場合もあるのです。

以上から、事前に保健所に相談してどのように進めれば良いのか、そして準備する資料の整合をおこなうのがおすすめです。

特に、施設検査が許可を得るための難関となるので、店舗の工事が必要となる場合は事前に図面の確認を受けておくと、無駄な費用の発生を抑えられます。

保健所では無料で相談に応じてもらえるので、不安な点があれば積極的に相談しましょう。

◆営業許可申請の提出

営業許可を受けるため、保健所に対して以下の書類などを提出します。

  • 食品衛生責任者の資格を証明する書類
  • 飲食店営業許可申請書
  • 場所の見取り図
  • 営業設備の大要・配置図
  • 内装の配置の平面図
  • 水質検査成績書(店舗で貯水槽や井戸水を利用する場合)
  • 登記事項証明書(法人が申請する場合)

この時点で、食品衛生責任者の有資格者が必要となるため、事前に取得してください。

なお、内装の配置の平面図などを提出する必要がありますが、この時点では完成している必要がありません。

ただし、後におこなわれる施設検査の時点では完成している必要があるため、申請と店舗の内装工事を同時進行でおこなう必要があります。

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◆施設検査を受ける

飲食店営業許可を取得するための最難関となるのが、この施設検査です。

施設検査とは、安全性を考慮した店舗であるのか、衛生面の対策が取れているのかなどを保健所が確認することを指します。

各自治体の保健所によって、微妙に検査基準が異なりますが、概ね以下のポイントを確認されます。

  • 厨房区画の明確化
  • 照明の照度
  • 手洗い器の設置
  • シンクの設置状況(2槽以上が必要)
  • 給湯設備の設置状況
  • 蛇口の形状
  • 食器棚の設置状況
  • 冷蔵庫・冷蔵庫の設置状況
  • 防虫設備の設置状況

もし検査をクリアできない場合、検査で合格できなかった項目を改善して、再度検査を受ける必要があります。

細かな不適合ポイントであればすぐに改善できるものの、店舗の設計変更を伴う大がかりな改善が必要になる場合もあるのです。

よって、最初の段階で保健所に事前相談しておくと、大きな改善が必要なくなり施設検査をスムーズに進められます。

◆営業許可証の交付を受ける

施設検査に合格すると、営業許可証が交付されます。

交付予定日については、検査が完了した時点で保健所より通知されます。

手続き方法は各自治体で微妙に異なるため、施設検査時に確認しておくことをおすすめします。

3.深夜営業に必須となる深夜酒類提供飲食店営業開始届出

ガールズバーの場合、多くが他のお店でお酒を楽しんだ方が、2件目として選定する場合が多く、来店時間が夜遅くなり退店する頃には深夜0時を回ります。

そこで、必須となる許可が深夜酒類提供飲食店営業開始届出です。

深夜酒類提供飲食店営業開始届出は、深夜0時から午前6時までの間で、主にお酒を提供する飲食店を開業する際に必要となる届出です。

開店の10日前までに管轄の警察署に対して届け出る必要があり、飲食店営業許可と同様に事前に準備が必要となります。

深夜酒類提供飲食店営業開始届出をおこなう流れとしては、まずは飲食店営業許可を得ていなければなりません。

許可を得た後に、以下の資料を添付した上で深夜酒類提供飲食店営業開始届出書を管轄の警察署に提出してください。

  • 営業の方法
  • 定款および登記事項証明書
  • 飲食店営業許可
  • 住民票(本籍地が記載されているもの)
  • 図面
  • 賃貸契約書・使用承諾書
  • 用途地域証明書
  • メニュー表

なお、一部書類の提出内容は各自治体によって異なるため、警察署の生活安全課で事前確認することをおすすめします。

そして、許可を得ると10日後から深夜営業が可能となります。

開業時に注意したい風俗営業許可の要否

ガールズバーと似たお店として、キャバクラがあります。

キャバクラの場合、お客様の席に座って長時間お酌したり会話を楽しんだりできますが、これは接待行為に該当します

日本では、接待行為をおこなう飲食店などに対して、風俗営業許可が必須です。

ガールズバーでも、基本的にキャストと呼ばれるスタッフが酒類を提供して、カウンター越しで会話を楽しみます

ただし、この会話するという行為が接待に当たるかどうかはグレーな状態です。

一般的には、短時間の会話でかつカウンター越しで会話している場合は接待に該当しないと考えられていますが、接待行為として判断されることもあるのです。

接待行為自体の基準が不明確であるため、このような認識の違いが生まれている事実があります。

もし、風俗営業許可を得ないまま接待行為をして、これが摘発されると風営法違反となり、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金またはこの両方の処罰を受けなければなりません。

よって、少しでも摘発のリスクを避けるためには、風俗営業の許可を取得するのがおすすめです。

ただし、風俗営業許可を取得すると、自治体によって異なりますが深夜0時までの営業に制限されます

要するに、深夜酒類提供飲食店営業開始届出が許可されて深夜営業できる場合でも、風俗営業許可を取得すると深夜0時以降の営業はできません

ガールズバーの魅力である、深夜営業に対応しているというメリットを失われてしまうことになるので、どちらを選択するかを吟味する必要があります。

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まとめ

ガールズバーを開業する場合、必要な資格自体は食品衛生責任者資格のみとなります。

ただし、飲食店営業許可と深夜酒類提供飲食店営業許可を得ないと、ガールズバーのメリットである深夜までお酒を提供するメリットを活かした営業ができません

よって、今回紹介した手順を参考に、確実に取得する必要があります。

また、接待行為を伴う場合は風俗営業許可を得なければなりませんので、注意してください。

ガールズバーを開業するにあたって、各種設備を整えなければなりません。

特に、保健所の施設検査に合格しないと、開業までこぎつけません。

保健所の施設検査に合格する施設を整えるため、費用面で困っている場合は内装工事リースをご利用ください。

内装工事リースでは、開業予定の個人事業主や新設法人でも内装工事リースが利用でき、500万円から融資を受けることが可能です。

家具は信販会社やリース会社から資金調達できるため、もし銀行などからの融資審査に落ちた場合でも、融資を受けられる可能性があるのでおすすめです。

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