ネイリストであれば、いつかは自分の店を開業したいと思うでしょう。
今は技術を磨いているときでも、夢や目標として持つと、とてもモチベーションがあがります。
店を持つ夢は持っていても、費用がどのくらいかかるかはまだ知らない人が多いです。
独立を考えているのならば、早いうちから費用ついて知っておくのがベスト。
修行をしながらでも資金は貯められます。
今すぐ独立したいと思ったタイミングですぐに動けるように、費用がどのくらいかかるのかを知りましょう。
ネイルサロンの営業形態別に必要なオープン費用
ネイルサロンには、営業形態が複数あります。
- テナントを使って個人店をオープンする
- 自宅の一室を使ってオープンする
- フランチャイズでオープンする
いずれもネイルサロンを開くことに変わりはありませんが、準備にかかる費用が違います。
オープンしたいと考えている営業形態によって、費用がいくらかかるのかを知りましょう。
テナントでオープンする
もっともポピュラーな方法として、ネイルサロンをテナントでオープンする方法があります。
企業をして、ネイルサロンをブランドとして立ち上げるという方法。
はじめは小さな店舗でも、経営が安定すれば、2号店、3号店など次々と店舗を広げていけるのが特徴です。
1店舗のみで営業するのも、2店舗以上を展開することを視野に入れるのも、どちらもおすすめ。
テナントでいちばん費用がかかるのが、物件を借りるとき、次いで、毎月の家賃です。
テナントとして物件を借りるときは、敷金が6~12ヶ月分かかります。
家として物件を借りるときの数倍かかるので、費用が膨れやすいのです。
さらに、物件の家賃も安くはありません。
営業に必要な広さを考えると、必要な広さは思っているよりも広くなりやすいです。
物件を準備する段階で、かなり予算を削られてしまう可能性があります。
テナントでネイルサロンをオープンしようと考えている場合は、費用を多めに準備しましょう。
テナントを使う場合、物件に関する費用のみで250~300万円準備しておくと安心です。
トータルでは、500万円ほどかかると思っておきましょう。
もちろん、それ以上に資金を準備する必要があります。
1,000万円ほど確保できると安心して営業ができる余裕が持てます。
自宅でオープンする
自宅でオープンする場合は、テナントで必要な物件に関する費用が削減できます。
テナントを借りる場合との対象で考えられているのが、自宅での開業です。
プライベートサロンとしてこじんまりと営業するのであれば、自宅でも十分。
一室をサロンとして使い、予約も人数を限定して受け付けることで、規模が小さくても営業できます。
また、小さめの賃貸を借りて営業することもひとつの案です。
住居として借りると、テナントのときに必要な敷金が安くできます。
職場として使うのであれば、ワンルームでも1Kでも十分なので、家賃自体が安いです。
準備にかかる費用は、100~150万円が相場。
テナントで借りるよりも圧倒的に安く開業できることがわかります。
また、500万円ほど資金を準備しておけば、運転資金も確保できて安心です。
フランチャイズでオープンする
営業する場所で考えるほかに、フランチャイズでオープンするという方法もあります。
ネイルサロンでフランチャイズとは聞き慣れませんが、全国展開しているネイルサロンはフランチャイズで開業できます。
ネイルの育成にも関わっているフランチャイズが多いので、初心者でも安心してオープンできるのが特徴。
経営についてもサポート環境が整っているので、売上が安定しやすいのもメリットです。
一方で、フランチャイズには加盟金やロイヤリティがあります。
加盟金は、フランチャイズに加盟することが決定したときに支払う金額。
ロイヤリティは、継続してブランドを使うための費用です。
サブスクリプションのような形で毎月かかってくる費用なので、ランニングコストとして計上されます。
費用としては、テナントもしくは自宅で開業する費用にプラスされると考えてください。
フランチャイズによって、加盟金やロイヤリティは異なります。
予算に見合った金額で契約できるフランチャイズを探すと良いです。
ネイルサロンをオープンするまでの流れ
ネイルサロンをオープンするまでの流れについて紹介します。
最初に決めるのは、オープン日です。
そこから逆算して準備を進めます。
- 物件・内装
- スタッフ
- SNS
ネイルサロンは、ネイルを魅力的だと感じてもらえることでお客さんが来ます。
内装やSNSは特にこだわるところなので、重点的に進めましょう。
オープンする時期を決める
ネイルサロンをオープンするには、まず時期や日程を決めます。
オープンする時期や日程を決めてから、逆算して準備を進めていくのが一般的なのです。
時期が決まれば動きやすく、いつまでに何をすればよいのか明確にできます。
資金を集めるデッドラインもわかるので、目標を持って取り組めるでしょう。
オープン時期は、6ヶ月後位を定めておくと良いです。
個人で開業するのであれば、3ヶ月でも開業はできます。
しかし、準備に時間をかけられず、足りないと感じてしまうことも多いでしょう。
スケジュールにはゆとりを持つことをおすすめします。
テナントでの開業や、従業員を雇う場合には6ヶ月以上先にオープン日を定めましょう。
物件・内装を決める
オープンする日が決まれば、物件や内装を決めます。
物件も、テナントか自宅もしくは賃貸のいずれかを選ぶところから始まります。
予算やサロンの規模によって違うので、ここまでに具体的なネイルサロンの規模を決めておきましょう。
どのようなレイアウトで開業するかも決めておくと、物件の内覧時にイメージしやすいです。
物件では、最小限の広さで選ぶのも良いですが、集客しやすい場所か、収納がたくさんある場所か、なども忘れずにチェックします。
ネイルサロンは、とにかく小さな物品が多いです。
ネイルのカラーやパーツなど、ほんのわずかな違いでいくつもの種類があります。
すべてを保管しなければいけないので、収納や収納コーナーを作れる広さがあることが絶対条件。
内装も、心地よい空間でくつろげる場所にこだわってデザインしましょう。
部屋の雰囲気や、作業をしやすい環境を作れるか、についても重要です。
スケルトンのテナントである場合、インフラの整備が必要なので、内装工事に時間がかかります。
できるだけ早く工事に取りかかれるように、スピーディーに動きましょう。
スタッフを募集する
物件や内装を整えたら、スタッフを募集します。
個人サロンで、自分ひとりで経営を行うのであれば、この工程は飛ばしてOKです。
しかし、ネイリストとして仕事に集中できる環境を作るならば、スタッフは必須。
小さな規模でも、パートナーとして1人は雇うと良いでしょう。
店の経理や備品の管理、受付業務などを任せると、個人で行うよりも負担が減らせて働きやすいです。
1人では、頭を抱えてしまう仕事量でも、パートナーがいるだけでかなり軽減できます。
適度な仕事量を考えることは、長期で働くことを考えることにもつながります。
せっかく開業するのであれば、長く愛されるネイルサロンにしたいはずです。
経営方針を相談でき、業務を支えてくれるスタッフを募集することをおすすめします。
時期としては、オープンまで3ヶ月ほどになったら始めましょう。
SNSの準備
ネイルサロンには、SNSも欠かせません。
ネイルサロンなどの美容系では、SNSでの集客も来店に大きく関わります。
SNSの投稿を見て、素敵だと思ってくれた人が施術に来てくれるからです。
また、ターゲットとするのは多くは20代~40代の女性。
SNSを見ている世代であり、流行にも敏感なので、話題になれば客足も増えると予想できます。
予約もネットから簡単にできるので、美容系予約サイトへの登録を済ませておくと便利です。
新作ネイルやこれまでの施術デザインなどを投稿すると、ネイルサロンの強みがわかります。
ネイルサロンの強みとして売り出していけるので、ネイリストとしてもさらに得意分野を高められるでしょう。
ネイルサロンを安くオープンするポイント
ネイルサロンを安くオープンするポイントを紹介します。
物件は居抜き物件を借りることで、買い揃える家具や内装工事が少なくできます。
宣伝をSNSやホームページなどネットに集中させることで、宣伝費を減らすことが可能。
内装工事は、内装工事リースを使えば、毎月の少ない負担で内装工事費用が払えておすすめです。
居抜き物件を借りる
居抜き物件を借りて営業することで、物件費を安くできます。
テナントを借りて営業する場合、事業所として貸し出すテナントはスケルトンであることが多いです。
コンクリート打ちっぱなしの店舗では、殺風景であり、インフラも整っていません。
ネイルサロンとしてオープンするのであれば、内装工事が必要です。
しかし、内装工事をテナントの全体に行うと、費用がとてもかさんでしまいます。
居抜き物件であれば、前に入っていた店もネイルサロンで、インフラも契約さえすれば使える状態になっていることが多いです。
いわゆる、家具家電付きの物件というイメージ。
あとは、足りない場所を工事で整えるだけなので、工事にかかる費用も、工期も抑えられます。
開業資金が少なく、できるだけ安く済ませたい人は、居抜き物件を探してみると良いです。
宣伝をSNSやホームページのみにする
宣伝を、SNSやホームページのみにすることで、広告宣伝費を浮かせられます。
店の宣伝としては、SNSだけでなく、ビラを配って周知させる方法があります。
しかし、紙の印刷代、配るための人件費や移動費を考えると、抑えたい費用です。
ネイルサロンは、SNSとの相性が良い場所。
SNSとホームページの作成のみにして、情報をすべてスマホから見られるコンテンツにすることで、宣伝費を削減します。
これまでは、宣伝として使う費用として50万円ほどかかる場合がありました。
今では、SNSのアカウント作成は無料。
少し課金をすれば、SNSに流れる広告にネイルサロンを掲載できます。
ホームページも、必要なのはサーバー代のみなので、1~2万円に節約できるのがポイント。
宣伝をSNSやホームページのみで表示するという方法でも費用を安くできます。
内装工事リースを使う
内装工事をする際に、内装工事リースを使うのもおすすめです。
内装工事リースとは、内装工事にかかった費用を分割で支払う方法。
内装工事費用だけでなく、内装に使用する家具や設備なども一緒に支払えるのがポイントです。
毎月少額ずつ支払うので、資金をたくさん手放すことはありません。
むしろ、資金を手元に残すことができる方法。
審査も短期間で結果が出るので、スピーディーなサービスの利用が可能です。
銀行融資を受けていても利用できるサービスで、併用して使えます。
融資を断られてしまった場合でも、内装工事リースの審査では通る可能性も十分秘めています。
迷ったときは一度相談してみてはいかがでしょうか。
もちろん、話を聞くだけでもOK。
内装工事にかかる費用については、内装工事リースの利用もぜひ検討してみてください。
まとめ
ネイルサロンをオープンするために必要な資金と、流れ、安くオープンする方法について紹介しました。
ネイルサロンをオープンする形態には3つあることがわかりました。
- テナント
- 自宅
- フランチャイズ
いずれもメリットとデメリットがありますが、もっとも安い資金で開業できるのが自宅です。
テナントでは物件費が、フランチャイズでは加盟金とロイヤリティがかかります。
オープンまでにしておくこととしては、
- オープンする日を決める
- 物件や内装を決める
- スタッフを決める
- SNSを準備する
以上の項目がマストです。
開業までは、6ヶ月以上時間をかけると、じっくり準備が進められるのでおすすめ。
安くオープンさせるには、居抜き物件を借りることや、宣伝方法を絞ることで費用を抑えられます。
内装工事に関しては、内装工事リースを使うのも良いでしょう。
毎月少額ずつ支払うことで、資金を手元に残したままオープンできます。
ぜひ検討してみてください。