新たに会社や事業を始めるときに必要なのがオフィスですが、オフィスは普通のアパートを借りる時とは少々勝手が違います。
違いはいくつかありますが、特に大きいのが敷金の額。
家の引越し感覚で借りようとすると、お金が足りず借りられない可能性があります。
そこで、この記事ではオフィスの敷金の相場から敷金が返ってくるタイミングや敷金が減額されるケースなどを紹介します。
これからオフィスを賃貸しようと計画されている方はぜひご参考ください。
オフィスを借りるときに敷金が必要なワケ
初めに、そもそもどうして敷金が必要なのかを解説していきます。
結論から言うと、ビルオーナーが損をしないためです。
例えば、借主が何らかの事情で家賃を払えなくなった時や、借主と連絡が取れなくなったときなどに、ビルオーナーは敷金を家賃や修繕費に充てることができます。
要するに、敷金は、借主がビルオーナーに預ける債務保証担保ということです。
また、住宅とオフィスの敷金の違いとして、償却費があります。
償却費とは、オフィスを退去時に無条件で差し引かれる費用のこと。
相場としては、敷金の10%〜20%に設定されていることがほとんどです。
そのため、オフィス退去時に、敷金が全額返還されることは滅多にありません。
オフィスの敷金の相場
一般的に、住宅を賃貸する際は、家賃の1、2ヶ月分を敷金として支払います。
しかし、オフィスやテナントを賃貸する際は家賃の6〜12ヶ月分を支払うのが相場です。
また、オフィスの敷金は、坪数や個人オーナーか大手デベロッパーなどで変動しますが、まとめると次の通りになります。
坪数による敷金の違い |
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坪数 |
敷金 |
10〜40坪ほど |
3〜6ヶ月分 |
50坪以上 |
6〜12ヶ月分 |
賃貸主ごとの敷金の違い |
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賃貸主 |
敷金 |
個人オーナー |
3〜6ヶ月分 |
大手デベロッパー |
6〜12ヶ月分 |
表を見る限り、オフィスを借りる際の敷金は非常に高額と言えるでしょう。
なぜオフィスの賃貸には高額な敷金を払うのかというと、ビルオーナーにとってリスクが非常に大きいからです。
仮に、借主と連絡が取れなくなったときに、一般住宅の場合は取り残された家具の撤収や壁や床の傷の修繕などで済みます。
しかし、オフィスやテナントの場合、家具の撤去以外にも原状回復工事を行う必要があり、その分敷金の額が高くなります。
借主にとっては敷金は大きな負担になりますが、ビルオーナーが抱えるリスクを考えると妥当な金額と言えるでしょう。
もし、敷金があまりにも高すぎると感じた時は、交渉による減額や、保証会社を通すことで敷金を抑える方法などもあるので、ぜひ活用してみてください。
オフィスの敷金はいつ返ってくるか
敷金が返還されるタイミングとしてよく誤解されがちなのが、オフィス退去時には敷金はまだ返還されないと言うことです。
では、いつ敷金は返還されるのかというと、原状回復工事がすべて完了した段階。
工事が無事に済めば、借主の元に償却費と工事費用を差し引いた敷金が戻ってきます。
また、契約によっては、敷金が返還される期日が設定されていることもあるため、その場合は原状回復工事が終わっていない場合でも敷金は返還されるでしょう。
返還されるオフィスの敷金が減額されるケース
オフィスの移転や退去をした後に敷金は返還されますが、支払った全額が返還されることはほとんどありません。
そこで、ここでは返還されるオフィスの敷金が減額される事例を紹介していきます。
償却費
一般的に、法人で賃貸物件を契約するときは、償却費という費用が必要になります。
償却費は無条件で敷金から差し引かれる費用のことで、住宅を借りる際の礼金にあたる費用です。
賃貸料の1〜2ヶ月分、もしくは保証金の10〜20%を償却費として賃貸主に支払います。
また、最近では償却費を支払う必要のない物件も多く出てきました。
大型ビルでオフィスを借りる際はまだまだ償却費は発生しますが、小・中規模のビルなら償却費がないことも珍しくありません。
少しでも初期費用を抑えたい方や、できるだけ敷金は全額返って欲しい方にはおすすめです。
原状回復工事
敷金が減額される一番の理由が原状回復工事です。
ビルオーナーは、次の新しい借主を探すためにも、貸したオフィスやテナントを元の状態に戻しておく必要があります。
一般住宅の場合は、家具などを撤去すれば元の状態に戻りますが、オフィスやテナントは内装工事や電話線工事なども行っているので、大規模な原状回復工事を行わなければなりません。
原状回復工事の費用は表にまとめると次の通りになります。
原状回復費用の相場一覧 |
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オフィスの規模数 |
原状回復費用(坪単価) |
小・中規模 |
5万円〜10万円 |
大規模 |
7万円〜20万円 |
ただし、この一覧表はあくまでも目安なので注意しましょう。
自分で業者を探す場合は、数社から見積もりを受けて検討し依頼する業者を決めれば良いですが、契約によっては業者を指定されていることがあります。
その場合、指定業者から工事費用を水増しして請求されることがあるので注意しましょう。
大切なのは、原状回復工事の費用が適正かどうかチェックすることです。
万が一、工事費用をぼったくらられていると判断した場合は、優秀な仲介業者に依頼して、賃貸主やビル管理会社に交渉してもらいましょう。
自分で交渉するとあまり値引きされませんが、プロの仲介業者を挟むことで原状回復費用を大幅に削減できるので、ぜひご活用ください。
オフィスの敷金以外に発生する初期費用一覧
最後に、オフィスの賃貸の際に発生する初期費用を紹介します。
事前にどの程度の初期費用がかかるのか把握しておけば、オフィスの規模や場所などを決めやすくなるので、ぜひご一読ください。
内装工事費用
新たにオフィスを借りた際は、オフィスの内装工事をする必要があります。
内装は、その会社の色が出る大事な要素なので、しっかりとお金をかけて行いましょう。
また、内装工事費用を抑えたい場合は、前の借主が使ったままの状態である「居抜き物件」がおすすめです。
居抜き物件の場合は初めからある内装で我慢しなければいけませんが、内装工事をする必要がないため、初期費用を大幅に削減できるでしょう。
前家賃
基本的に、家賃は前払いになるため、入居する前にその月の家賃を払いましょう。
もし、月の途中から入居する場合は、残りの日数から日割りして借主に請求されます。
仲介手数料
オフィスを契約する際に仲介業者を挟んだ際は、仲介手数料が発生し、その相場は賃料の1ヶ月分です。
もちろん、仲介業者に依頼せずにオフィスやテナントの契約も可能ですが、契約に至るまでの道のりは素人にはなかなかに厳しいため、あまり推奨はできません。
火災保険料
基本的に、ビルオーナーが建物自体に火災保険をかけていますが、借主側も火災保険に入っておく方が得策です。
また、火災以外の保険にも加入しておくと、いざという時に損失を抑えられるので安心できます。
火災保険料の相場は、年間1万円とかなり割安なので、加入しておくのが良いでしょう。
引越し費用
初めてオフィスを借りる場合は必要ありませんが、オフィスの移転時には引越し費用がかかります。
荷物の量や引越し先の距離により変動しますが、一般的に社員一人当たり3〜5万円ほどの額になります。
まとめ
オフィスの敷金は一般住宅と違い、かなり高額で借主にとっては大きな負担になります。
初期費用が大きすぎると、その後の事業にも悪い影響を及ぼし、せっかく起業したのに出鼻をくじかれるかもしれません。
そんなリスクを少しでも抑えたいときにおすすめなのが、内装工事リースです。
内装工事リースなら、500万はかかる内装工事の初期費用を0円で行えます。
初期費用を抑えられると、他のことにお金をかけられるので、より会社や事業を軌道に乗せられる可能性が高まるでしょう。
会社や事業を成功させるためにも、内装工事は初期費用を抑えられる内装工事リースへのご依頼はいかがでしょうか。