旅館のリフォームというと、大規模な改修工事や大幅なリニューアルをイメージするでしょう。
実際、イメージをガラリと変えて営業を再開する旅館は多いです。
それだけではなく、旅館の老朽化に伴うリフォームも行なわれています。
景観を残しながら、新しさに順応していく旅館にするために、リフォームは必要です。
しかし、大きなお金が動くことも想像が容易でしょう。
旅館のリフォームにはどのくらいの費用がかかるのかをお伝えします。
費用を抑える方法や、支払い方法でできる工夫も紹介します。
旅館のリフォーム費用はいくらかかる?
旅館のリフォーム費用は、リフォームする部分によりますが、3000万円以上はかかります。
高い場合では1億を超えることも。
費用は、内装工事と同じく坪単価で計算されます。
費用がかさんでしまいがちなので、資金は十分に準備しておきましょう。
旅館をリフォームしたときの相場
旅館をリフォームしたときの相場は、総額で3000万円~1億5000万円です。
部分的なリフォームから全体的なリフォームまでを総合した価格なので、幅があります。
しかし、一部分だけをリフォームしても千万単位の金額が動くのが特徴。
旅館をリフォームすると言っても、家のトイレやお風呂を変えるのと規模が全く違うのです。
さらに、資金は膨れやすく、内装工事に似た特徴があります。
リフォームの場合は、これまで使用した場所を修復するので、あとから欠陥が見つかることも。
これによってさらに費用が膨れ上がってしまうことがあるのです。
新たに旅館を建てる、事業を始めるのではないにしても、大きな金額が動くので準備が必要。
資金はできるだけ潤沢に準備しておくことがマストです。
費用は坪単価で請求される
旅館のリフォームで請求される金額は、坪単価で計算され、請求が来ます。
内装工事と同じように計算され、面積が増えるほど高額になるのが特徴です。
旅館はホテルに比べて部屋が広い傾向があります。
面積が広いと、それだけ費用も高額になるということ。
客室のリフォームだけでも、ホテルよりも金額が高くなることを踏まえて資金を準備しましょう。
全面リフォームでは、1億を超える費用がかかります。
内装、外壁だけでなく、庭など敷地全体をリフォームするのであれば、坪数は相当です。
旅館のリフォームは費用が膨らみやすい
旅館をリフォームすると、費用は膨らみやすいです。
広さもありますが、内装だけでなく外装も同時にリフォームするケースが多いことがあげられます。
さらに、部分的に工事を行うと、統一感が崩れてしまうことも考えなくてはなりません。
旅館全体の統一感は大切です。
統一感を守るために、広範囲のリフォームが行われると、費用が膨らみやすくなります。
外装+設備のリフォームをすることが多い
旅館のリフォームでは、外装と設備のリフォームを同時にすることが多いです。
内装や設備にかかる費用は、最低でも3000万円が相場でした。
それに加えて外装もリフォームします。
外装は旅館の看板、いわば顔です。
いつでもきれいに保っておきたい場所であり、きれいであればお客さんから好印象を受けます。
内装や設備をリフォームするのであれば、同時に修復しておくことも少なくないでしょう。
すると、内装工事+外装工事費用がかかります。
外装工事の相場も、3000万円~1億円程度。
予定していた内装工事費用の2倍以上かかることがわかります。
結果、予算よりも高くなり、支払いが苦しくなってしまうのです。
資金を準備するときは、内装と外装など、修理したい場所プラスアルファの資金を準備しましょう。
部分工事は統一感を損なう原因になる
旅館のリフォームを部分工事で行っていると、統一感に欠けることがあります。
老舗旅館で、趣のある部屋が多い中、リフォームをしてモダンテイストになった部屋があるとしましょう。
最新のモダンテイストとはいえ、老舗旅館の印象としては浮いてしまいます。
旅館は、建物全体に雰囲気を感じられる場所が多いです。
部分工事をすると、リフォームをした場所だけがきれいに見えてしまうので、一部分だけ特別な空間に見えます。
統一感がなくなり、旅館全体の印象がゆらいでしまう可能性があるのです。
おすすめするのは、全館リフォーム。
一度に旅館のすべてをリフォームすれば、外装も内装も一度に整うので、統一感も損なわれません。
費用がかかることが心配ではありますが、旅館のイメージを守るためには検討すべき点です。
部分工事は、旅館の統一感を損なう可能性を持っているのが欠点。
段階的に工事をしていては、工期が長くなる可能性も考えられます。
そのため、旅館のリフォームには費用をかけても全館リフォームで統一感を守るのがよいです。
旅館のリフォーム費用を抑えられる方法
旅館のリフォーム費用を抑えられる方法として、
- 融資を受ける
- 補助金を使う
この2パターンがあります。
どちらも条件に満たしているかを確認した後、申請が必要なので、リフォーム前に知っておきましょう。
融資を受ける
融資を受けることで、旅館のリフォーム費用を調達できます。
融資は主に銀行からの融資が一般的です。
申請してから審査・結果に至るまで、約1~2ヶ月かかるので、リフォームを考え始めた頃に銀行に申請しておくのが良いでしょう。
また、銀行への融資は、計画性が十分あり、現実的な返済計画を示さなければ受けられません。
旅館をリフォームすることで得られるベネフィットを明記して申請しましょう。
融資を断られる場合もあります。
融資を申請できる場所は銀行だけではないので、ほかに融資を受けられそうな場所を探すこともしておきましょう。
補助金を使う
補助金を使うことで、資金の一部を手元に還元できます。
補助金は、申請すると後に対象分が返還される仕組みです。
利用できる補助金の一部を表にまとめました。
事業再構築補助金 | 特定の理由により、業績が悪化した事業者に対して、経済産業省が給付している補助金。返還しなくて良いので、利用後の負担はなし。リフォームだけでなく、再構築として新たに設備を設けることで対象となる。 | 補助は経費の2/3、上限8000万円。 |
バリアフリー化補助金 | 施設にバリアフリーを設けることで利用できる補助金。旅館の客室内ロビー施設外のスロープなどを新たに設置することでかかる費用について補助金を給付する。都道府県で管轄が異なり、旅館が建っている都道府県で条件を確認する必要がある。 | 東京都の場合、2022年の実績で、施設整備:3000万円客室整備:4200万円 |
地域一帯となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化事業 | 施設ごとではなく、地域単位で活性化を狙って行っている制度。観光庁が主体となって行っている事業。外観や部屋の内装などのリフォームだけでなく、改修も給付の対象。 | 補助の上限は1億円 |
リフォームの内容によっては補助の対象にならない項目もあるかもしれません。
要項や対象となる条件をよく確認して申請しましょう。
サイトや自治体の窓口で説明を受けられる場合は、直接説明を受けてから申請すると確実です。
支払い方法でできる工夫
支払い方法でも工夫ができます。
通常、リフォームの費用は工事が始まる前に現金で一部を納入します。
しかし、工事費用は膨れやすく、予算オーバーの可能性を考えると苦しいケースもあるでしょう。
そんなときは、内装工事リースで分割払いをしてみてはいかがでしょうか。
月々少額の返済で、大きな金額を支払っていけば、一度に多くの資金を手放すことはありません。
支払額は変わりませんが、手元に資金を残せるので、心の余裕が生まれる工夫です。
支払い方法は基本現金払い
リフォームの支払い方法は、基本的に現金払いです。
大きなリフォームの場合、期限を3回に分けて振り込む方法を取っているケースが一般的。
部分工事であれば、工事前の一括支払いはマストです。
現金で支払うため、支払期日までに資金は準備して置かなければなりません。
指定された金額を払わなければ当然リフォームは着工せず、進まないです。
しかし、費用が膨大になっていれば、分割しても支払う金額は大きくなっています。
リフォーム費用が膨れ上がっている場合には、かなり経営を圧迫しているのが現状です。
圧迫している費用を現金で支払うのが難しいと予想される場合には、別の方法で支払えないかを検討しましょう。
使う使わないは実際に支払う金額を見てからでも良いです。
業者の指定する支払い方法のほかに、確実に支払える手段を探しておくことで、業者との交渉もしやすくなります。
内装工事リースで費用を少額ずつ払う
支払い方法でぜひ検討してほしいのが、内装工事リースです。
内装工事リースとは、本来支払う金額を、毎月少額ずつ払っていく方法。
トータルで支払う金額は変わりませんが、一度に支払う金額は圧倒的に少ないです。
従来は、リフォーム費用を3分割ほどにして振り込んでいました。
分割しているにしても、金額が大きいので資金もかなり手放している状態。
予算が膨れ上がっている場合や、予定していなかった工事まで行うことになった場合はかなりの痛手です。
内装工事リースは、膨れ上がったリフォーム代を分割するので、毎月の支払額は小さくできます。
予算の大半は手元に残った状態で営業を再開できるので、手元に資金を残すことが可能。
営業後に収益を補填しながら、リフォーム代を支払うことができるので、予算や経営を圧迫せずに支払えます。
利用するには審査がありますが、審査完了まで最短で2営業日と短いのが特徴。
スピーディーな審査で、今すぐ利用したいという人にもサービスを届けられるようにしています。
ぜひ、内装工事リースで支払うという方法も検討してみてください。
まとめ
旅館のリフォームを行った場合、費用はいくらかかるのかについてお伝えしました。
旅館をリフォームしたときの費用は膨れやすいです。
統一感を出すためにもおすすめな、外装+設備のリフォーム。
旅館の雰囲気や趣を崩さないために、検討したい選択肢です。
しかし、費用が膨大に膨れ上がってしまうことが懸念事項。
旅館のリフォーム費用は、相場で3000万円~1億5000万円かかります。
外装費用も同じくらいかかると言われており、まとめると予算が2倍ほど必要です。
融資や補助金を使って費用を安くする工夫をしているのですが、簡単に金額が減らせるわけではありません。
残った金額はもちろん支払う必要があります。
そこで検討したいのが内装工事リースでの支払いです。
毎月少額ずつ支払うことで、1回に支払う金額を少なくすることが可能。
営業再開後に売り上げた利益を資金に加えながら支払えます。
審査期間も短いので、今すぐ利用したい人にもおすすめです。
ぜひ検討してみてください。