店舗を借りる場合、保証金や敷金がかかります。
敷金はある程度まとまった資金が必要になり、融資を受けて対応しなければならない場合があります。
融資を受ける際には、設備資金なのか運転資金なのかによって、相違点があるので明確に違いを判断しなければなりません。
では、敷金はどの資金に該当するのでしょうか。
この記事では、敷金がどの資金に該当するのかについて解説します。
設備資金とは?
設備資金とは、事業を展開するにあたって資産性のある設備などを購入する際に使用する資金のことです。
運転資金の場合、事業を継続するために常にかかる費用となり、意味合いが異なります。
設備資金の場合、製造業であれば生産設備の購入や建屋の増築費用など、投資に関わる資金が該当します。
また、有形資産だけでなく商標権や保証金、ソフトウェアなど無形資産も該当するのが特徴です。
設備資金の場合、決算書における貸借対照表(B/S)に計上され、資産として認められるものが設備資金という形となります。
設備資金の具体例
設備資金には有形資産と無形資産があると解説しましたが、具体的には以下のようなものが設備資金に該当します。
- 新店舗のオープンに関わる費用
- 店舗た事務所の移転に関わる費用
- 業務に必要な機器類の購入費用
- 車両の購入費用
- 製造用機械の導入費用
- システム開発やバージョンアップに関わる費用
- 不動産購入に関わる費用
実際に融資を受ける際には、設備投資して収益性が改善されたり、コスト削減につながるなどの具体的な数値的な説明、根拠が必要です。
また、設備投資の回収期間を明らかにすれば、融資を受けやすい傾向にあります。
運転資金との違い
運転資金と設備資金とは、明確に定義されているのには理由があります。
銀行などから融資を受けたい場合、資金使途についてヒアリングされます。
具体的には、運転資金として使用するのか、設備資金で使用するのかが確認されるのです。
さらに、事業融資の借入申込書を記載する際に、設備資金か運転資金か記載する欄が存在します。
以上のように、設備資金と運転資金を明確に分ける理由としては、主に審査方法が異なるためです。
設備資金の場合、運転資金よりも借入金額が高くなる傾向があります。
借入額の金額が高くなればなるほど、金融機関としては貸し倒れを懸念して審査を厳しくする傾向があります。
以上のように、設備資金と運転資金には明確な違いがあります。
もし、返済期間が長い設備資金で融資を受けて、実際には運転資金に流用するのはルール違反です。
不正が発覚した場合は、即時返金が要求される可能性があるので、注意してください。
決算書において、資産や減価償却費が計上されていないと、金融機関が確認した際に運転資金として流用している事がバレるので、要注意です。
敷金とは?
テナント物件などを賃貸契約する際には、初期費用として以下がかかります。
- 敷金
- 礼金
- 保証金
上記の中で、敷金とはテナント物件を契約する際に、貸主に預ける費用を指します。
礼金と一緒に支払うのが一般的であり、契約期間中に滞納した場合の賃料や物件の原状回復が必要になった場合の費用などについては、敷金から差し引かれます。
借主が貸主に預けているだけであり、原則として退去時に返還されるのが一般的です。
敷金なしや礼金なしのテナント物件も存在しますが、その場合は契約時に敷金と礼金の支払いが発生せず、費用を削減できるメリットがあります。
敷金は、イメージとしてはデポジットと同様で、あくまでも一時的に預けているだけであり、特段何もなければ返還されるのですが、一時的ではあるにせよ支払う必要があります。
礼金と保証金との違い
敷金と同時に負担が必要になるものとして、礼金や保証金があります。
礼金とは、テナント物件を賃貸する際のお礼という形で、貸主に支払うものとなります。
礼金は、かつて物件が不足していた時代の習慣であり、物件が不足している中で物件を貸してくれた貸主に対し、感謝の気持ちを伝えるために支払っていたものです。
それが、現代社会でも継続されている風習となりますが、最近では礼金は不要というケースが増えています。
礼金の場合、敷金と違って返金されることはありません。
保証金については、基本的に敷金と同じ意味があり、一時的に貸主に預ける資金のことです。
敷金が必要となる理由
敷金がなぜ必要となるかと言えば、家賃の滞納や不払いが発生した場合や、故意や過失による建物の損傷の損害賠償に対しての備えとするためです。
貸主からすれば、もし家賃の不払いが発生すると資金繰りが厳しくなる可能性があります。
そこで、事前に敷金を徴収しておき、不払いが発生した際の備えとしているのです。
敷金の相場
一般的な住居の賃貸時に発生する敷金の相場は、家賃の1ヶ月から2ヶ月分となります。
一方で、テナント店舗の場合は10ヶ月分が目安です。
なぜここまで大きな差が発生しているかと言えば、店舗の場合は不特定多数の方が出入りするため、破損などが発生しやすいことから、原状復帰費用が多くかかると判断されて高額に設定されているのです。
敷金は設備資金に該当する
改めて設備資金の定義を振り返ると、機械や事業用車両などの購入や店舗、工場、事務所などの増改築にかかる資金のことです。
店舗などの建物の賃借に係る資金についても設備資金となり、具体的には敷金や保証金、権利金が該当します。
なお、注意したいのは賃料や礼金は運転資金としなければならない点です。
賃料は毎月発生するものであり、運転資金となるイメージがつきやすいですが、礼金については設備資金となるので注意してください。
以上のように、敷金は継続的に必要となる資金ではなく、初期的に発生する費用であるため設備資金として計上してください。
まとめ
敷金は、設備資金として計上する必要があります。
テナント店舗の場合、一般住居と異なり賃料10か月程度の敷金が必要となり、大きな負担がかかります。
敷金不要という物件もありますが、家賃が高めに設定されていたり退去時にかかる費用が高くなるなどのデメリットがあります。
よって、基本的には敷金は払っておくと良いでしょう。
もし、敷金の工面でお困りの場合は内装工事リース株式会社を是非ご利用ください。
審査結果は最短当日、標準2営業日で融資を受けられ、個人事業主でもご利用いただけます。