保証金がないとテナントは借りられない?敷金と保証金の違いや相場を徹底解説!

保証金がないとテナントは借りられない?敷金と保証金の違いや相場を徹底解説!

新たに事業を立ち上げたときに必要になるオフィスや店舗などのテナントですが、テナントは一般住宅のように賃貸することはできません。

いくつか違いはありますが、その中でも大きな違いの一つに保証金があります。

保証金について詳しく知っておかないと、テナントの賃貸契約に失敗してしまうかもしれません。

そこで、この記事ではテナントを借りる際に支払う保証金について解説します。

保証金が減額される原因や相場についても解説するので、まだ保証金について詳しくない方はぜひご参考ください。

そもそも保証金とは?

保証金とは、家賃の滞納や損害があった時に補填するためにテナントのオーナーに預けるお金のことです。

一般住宅を借りる際に支払う敷金とほぼ同じ費用で、テナントを返却するときに返還されます。

しかし、家賃を滞納したり、原状回復工事の費用が足りなかったりするときは、保証金からその分の費用が差し引かれるので注意しましょう。

敷金と保証金の違い

保証金と敷金の違いに償却費があります。

償却費とは、テナントをオーナーに返す際に無条件で差し引かれる金額のことで、相場として、賃料の3ヶ月分、または保証金の15〜30%になります。

そのため、貸物件に損害がない場合でも、保証金が全額返還されることはほとんどありません。

一般住宅賃貸で言うところの礼金に似た料金と覚えておくと良いでしょう。

保証金は民法によって明文化されている

平成29年までは敷金や保証金は法律によって定められていませんでしたが、平成29年6月の民法改正によって明文化されました。

「1. 賃貸人は、敷金(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。以下この条において同じ。)を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。

一 賃貸借が終了し、かつ賃貸物の返還を受けたとき。
二 賃借人が適法に賃借権を譲り渡したとき。

2. 賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づいて生じた金銭の給付を目的とする債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる。この場合において、賃借人は、賃貸人に対し、敷金をその債務の弁済に充てることを請求することができない。」

“民法第622条 – Wikibooks.” ウィキブックス,

重要なポイントとして、「いかなる名分を問わず」と言う箇所があり、この一文によって、保証金も敷金と同様の債務保障担保としての意味を持つようにされたのです。

テナントを借りるときの保証金の相場

テナントの保証金は事務所用か店舗用かで大きく変わり、初期費用に大きく影響します。

そこで、ここでは事務所・オフィスと店舗の保証金の相場を解説します。

事務所・オフィスの場合

事務所・オフィスを借りる際に発生する保証金の相場は、およそ6ヶ月から12ヶ月分です。

また、オフィス・事務所の保証金は坪数や貸主の種類によっても変動し、まとめると次の通りになります。

坪数による敷金の違い

坪数

敷金

10〜40坪ほど

3〜6ヶ月分

50坪以上

6〜12ヶ月分



賃貸主ごとの敷金の違い

賃貸主

敷金

個人オーナー

3〜6ヶ月分

大手デベロッパー

6〜12ヶ月分

仮に、個人オーナーから30坪ほどのオフィスを賃料30万円で借りると、保証金は最大で180万円ほど支払う必要があります。

かなり大きな金額ですが、賃料滞納や原状回復工事の補填のリスクを考慮すると妥当な金額と言えます。

また、保証金の額があまりにも高すぎると感じた場合は、交渉や保証会社を通すことで、保証金を減額できる可能性があるため、ご参考ください。

店舗の場合

店舗の場合、毎月の売上が変動し、家賃滞納のリスクがオフィスに比べて高いため保証金が高額です。

一般的に、平均相場として賃料の10ヶ月ほどが請求されます。

しかし、この相場は立地条件や人気物件によって大きく変動し、人気物件では賃料の2年分を請求されることも珍しくありません。

駅前や人通りの多い場所などは保証金が高く設定される傾向があります。

また、店舗の保証金の場合、現金での支払いが多く、手元に十分な現金があるかチェックしてから契約を結ぶよう注意しましょう。

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テナントの保証金はいつ返還される?

よく誤解されますが、保証金の返還のタイミングはテナント退去直後ではないため注意しましょう。

それでは、保証金が返還されるのはいつなのかというと、原状回復工事が全て完了したタイミングです。

オーナーが原状回復工事が終わったと確認すれば、償却費を差し引いた分の保証金が返還されます。

また、保証金の返還時期は契約書によって定めてある場合もあり、その場合は、原状回復工事がまだ完了していなくても、保証金は戻ってくるでしょう。

テナント返却時に返還される保証金が減額されるケース

一般的にテナントを返却した際に、預けた保証金が全額返還されることはほぼありません。

そこで、ここでは保証金が減額されるケースを解説します。

償却費

テナントを賃貸する際はほとんどの物件で償却費という料金を支払う必要があります。

償却費とは、一般住宅の賃貸における礼金にあたり、相場として賃料の3ヶ月分、保証金の15〜30%ほどに設定されています。

また、最近では中・小規模のテナントでは償却費が免除されている物件も出てきましたが、大型のテナントの場合はまだ償却費が発生するケースが大半です。

そのため、少しでも初期費用を抑えたい方や、小規模の事業者の場合は、償却費のかからない中・小規模のテナントがおすすめでしょう。

原状回復工事費用

オーナーは次の借主を探すためにも、テナントを元に戻しておく必要があります。

テナントを元に戻すための工事を原状回復工事、別名でスケルトン工事とも言います。

原状回復工事の費用は膨大になることが多く、万が一お金を用意できない場合は、保証金から大きく差し引かれるでしょう。

以下に、原状回復工事費用の相場をまとめたので、ぜひご確認ください。

オフィス・事務所の原状回復費用の相場一覧

オフィス・事務所の規模数

原状回復費用(坪単価)

小・中規模

5万円〜10万円

大規模

7万円〜20万円



店舗(小売店)の原状回復費用の相場一覧

オフィスの規模数

原状回復費用(坪単価)

小・中規模

6万円〜8万円

大規模

3万円〜5万円

一般的に小売店は原状回復工事が複雑でないため、坪単価が安く済む傾向にあります。

一方で、オフィスや事務所は規模が大きくなるほど坪単価が高くなり、トータルで300万を超えることも珍しくありません。

また、契約によって工事業者が指定されている場合は工事費用が高額になる可能性が高く、注意しましょう。

理由としては、指定業者の場合、その業者の独占状態になり水増しで請求されるからです。

もし、水増しで工事費用を請求された際は、優秀な仲介業者に依頼して、賃貸主や不動産会社に交渉を依頼してください。

プロの仲介業者に依頼することで、原状回復工事費用の大幅な減額が期待できるでしょう。

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テナントの保証金は減額交渉ができる

仮に、保証金が高額だと感じた際は交渉によって減額してもらいましょう。

コツとしては、入居申込のタイミングで交渉するのが良いです。

契約間近で保証金の減額を交渉すると、オーナーはあまり良い顔をせず、契約がご破算になるリスクがあります。

また、保証金の交渉ができない物件もあるため注意が必要です。

特に、競争率の高い人気物件は、入居希望者が多いため、交渉は受け付けていないでしょう。

しかし、あまり人気のない物件の場合は、オーナーは1秒でも早く入居者を獲得したいため、交渉の成功率が高くなります。

物件をよく見極めてから、交渉に乗り出しましょう。

まとめ

小さなテナントでも高額な保証金を請求されるのが一般的で、借主にとっては大きな負担と言えるでしょう。

保証金以外にも工事費用や前家賃などの料金も考慮すると、初期費用はどんどん膨らみ、事業や店舗経営に悪影響を及ぼしかねません。

それ以前に、初期費用を用意するための資金繰りに手こずるかもしれません。

そんな時は、内装工事リースに相談しましょう。

内装工事リースなら、500万はかかる内装工事の初期費用を0円で行えます。

初期費用を抑えられると、その後の経営にもプラスの影響を与え、心にも余裕が生まれるでしょう。

すぐにお金を用意するのが困難な方は内装工事リースへのご依頼はいかがでしょうか。

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