家賃は運転資金と設備資金のどちらに該当する?各資金の違いについて徹底解説

家賃は運転資金と設備資金のどちらに該当する?各資金の違いについて徹底解説

開業する際に、いかに資金調達ができるかが鍵となります。

資金調達の方法はいくつかありますが、金融機関などから融資を受けると、より多くの資金を工面できます。

ただし、金融機関などから融資を受ける場合、資金の用途を明確にしなければなりません。

具体的には、運転資金と設備資金のどちらで融資を受けるかによって、大きな違いがあります。

店舗経営でランニングコストとなる家賃について融資を受けたい場合、運転資金と設備資金のどちらに該当するのでしょうか。

この記事では、運転資金と設備資金の違いや家賃がどの資金に該当するのかについて、詳しく解説します。

設備資金と運転資金の違いとは?

融資を受ける為には、設備資金と運転資金の違いを正しく理解する必要があります。

ここでは、各資金の定義や具体的な違いについて解説します。

設備資金とは?

設備資金とは、事業に関連して資産性のある設備などを購入するために必要となる資金を指します。

飲食業における設備資金としては、厨房機器や空調設備、テーブルなどがあります。

また、製造業の場合は工場や製造に必要な装置や機器、オフィスに設置するPCやOA機器、機械、机なども設備資金となるのです。

なお、起業するタイミングで店舗や事業所を賃貸する場合、入居に関連する初期費用だけが設備資金に該当します。

また、設備資金では有形資産だけでなく特許や商標権、保証金、ソフトウェアなど無形資金についても、設備資金に該当するのが特徴です。

運転資金とは?

運転資金とは、事業を継続するために必要となる資金となります。

具体的には、人件費や家賃、商品仕入費、消耗品費、税金などが該当します。

設備資金は、開業する際や投資する際など、一時的に発生するものですが、運転資金は継続的に発生する資金となるのが特徴です。

実質的なランニングコストとなるため、先を見据えた経営を実践するためには、運転資金をどれだけ確保できているかがポイントです。

特に、創業期のタイミングでは事業が軌道に乗るまで時間がかかり、借入れで運転資金を補わなければならないケースもあります。

もし、キャッシュ残高がマイナスになると、黒字倒産となりかねません。

よって、運転資金をしっかり確保できるかがポイントとなります。

設備資金と運転資金の具体例

設備資金は一時的に負担する資産性があるものへの投資などが該当し、運転資金は事業継続において必要となる資金に分類されます。

各資金の具体例をまとめると、以下のようになります。

設備資金運転資金
・土地や建物、車両、機械の購入費用
・社内備品購入資金(PCやOA機器、事務用品など)
・無形資産の設置に関わる資金(自社ホームページ作成や固定インターネット回線などの設置費用)
・賃貸物件の入居に関する資金
・事業所の改修や改装にかかる費用
・人件費(従業員の給与や一時金など)
・事業所や店舗の維持費(家賃や・光熱費、通信費など)
・広告宣伝費(広告などの資金)
・商品の仕入に関わる費用
・消耗品費
・外注費(業務を外注した際にかかる費用)
・税金(社会保険料や企業単位で納める税金など)

上記を例に、どの資金に該当するのかを適切に判断しなければなりません。

設備資金と運転資金の相違点

設備資金と運転資金には明確な定義の違いがあります。

主に以下の相違点があります。

  • 借入時の返済期間が異なる
  • 審査内容が異なる

借入時の返済期間が異なる

一般的に、設備資金の融資を受ける場合は、運転資金よりも高額になる傾向があり、無理なく返済できるように返済期間が長めに設定されているのが一般的です。

例えば、日本政策金融公庫が新規事業者向けに募集している新規開業資金では、設備資金は最長20年以内、運転資金は最長7年以内の返済期間が設定されています。

設備資金の対象となる資産は減価償却期間を加味して、長い返済期間になっているのです。

審査内容が異なる

設備資金の場合は運転資金よりも融資金額が高くなる傾向にあります。

もし、設備資金の金額が借入枠を大きく超過する場合には、審査が厳しくなる傾向にあります。

融資を受ける際には正しい科目で申請する必要がある

先に紹介したとおり、設備資金と運転資金では融資条件が若干異なります。

融資を受ける際には資金使途を明確にする必要があり、違う資金で計上すると融資を受けられません。

もし、融資を受けた後に不正が発覚した場合は即時返金が要求される可能性があるので、注意してください。

決算書において、資産や減価償却費が計上されていないと、金融機関側がチェックした際に運転資金として流用している事がバレるので要注意です。

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家賃は運転資金に該当する

テナント店舗を賃貸して経営する場合、主にかかる費用としては以下のようなものがあります。

  • 敷金
  • 礼金
  • 保証金
  • 家賃

上記のうち、敷金、礼金、保証金は初期的に負担が必要となる資金です。

よって、設備資金に該当しますが礼金だけは運転資金となるので注意してください。

家賃は毎月継続的に発生する費用であり、運転資金に該当します。

もし、家賃の支払いなどのために融資を受けたい場合、必ず運転資金の融資を受けてください。

家賃を含めた運転資金の計算方法と目安

資金繰りを考えた上で、家賃を含めた運転資金を計算する方法を知っておく事が重要です。

特に、黒字倒産を避けるためには精算方法だけでなく運転資金の目安を理解しておく必要があります。

ここでは、運転資金の計算方法と目安について解説します。

運転資金を算出する方法

運転資金を算出する場合、主に以下のような計算式で割り出せます。

  • 運転資金 = 売上債権 + 棚卸資産 - 仕入債務

上記の項目は、決算書における貸借対照表の売上債権、商品在庫といった棚卸資産、仕入債務の各々の残高を確認して、計算式に当てはめれば算出可能です。

売上債権と棚卸資産には、その反対側に仕入資金があり、資金が出ていった状態になっている金額です。

仕入債務とは、将来発生する資金のことを指しますが、現時点では支払いがないものとなります。

上記を差し引きすると、商品を販売して入金されるまでの間に必要となる、運転資金が算出可能です。

必要となる運転資金の目安

事業に必要となる運転資金の目安は、業界や業種などによって違います。

例えば、飲食業では仕入れから資金回収までの回転期間は短い傾向にあり、手元のキャッシュは少なく運用可能です。

一方で、不動産開発業などの場合は、投下した資金を回収するまでに1年以上かかるケースがあります。

これにより、多額の運転資金を確保しないと資金的にショートしてしまう可能性があります。

一般的には、1カ月分の運転資金だけでは心許ないため、3ヶ月から6カ月程度の運転資金を確保しておきましょう。

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まとめ

家賃は運転資金に該当するため、もし融資を受ける際には間違えずに運転資金として融資を受ける必要があります。

また、テナント店舗に関連する敷金、礼金、保証金はそれぞれ違う科目となるため、融資を受ける場合は違いを正しく理解して対応しましょう。

銀行で融資の審査に落ちた場合でも、内装工事リースであれば審査に通ったケースも多いです。

審査結果は最短当日に確認できるので、すぐに融資を受けたい方にもおすすめですので、お気軽に内装工事リースまでご相談ください。

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